顕証寺本堂を守ることは、信仰の場を守り、
久宝寺寺内町の歴史と景観、そして地域の誇りを次の世代へ受け継ぐことです。

いま、本堂で起きていること
顕証寺本堂は、三百年以上にわたり受け継がれてきました。
現在、大屋根では瓦のずれや傷みが確認され、とくに西側では、ずれてきた瓦の崩落を防ぐため、応急的に足場で押さえている状態です。
本堂そのものがただちに失われる状況ではありません。しかし、このまま傷みを放置すれば、瓦だけでなく、その下の屋根下地や木部へ影響が広がり、将来の修復はさらに大がかりなものになります。
だからこそ、傷みがさらに広がる前に、いま手を入れる必要があります。
傷みをこれ以上広げないために
歴史ある木造建築は、時間とともに少しずつ傷みが進みます。
屋根の傷みは、表面の瓦だけの問題ではありません。雨水の浸入などによって屋根下地や木部にまで影響が及べば、本堂全体を守るために必要な修復の範囲も大きくなります。
現在は、足場を設置して詳しい調査を行い、必要な応急修理によって本堂を守る時間を確保しようとしています。
ただちに全面的な本格修復を行うのではなく、まず今できる修理を確実に行い、その先の本格修復へつなげていくためです。
受け継がれてきた信仰の場を守る
顕証寺本堂には、建物としての価値だけがあるのではありません。
長い年月にわたり法要が勤まり、人々が仏法を聞き、お念仏を申してきた信仰の場です。
そこには、先人たちが守り続けてきた歩みがあり、多くの方々が手を合わせてきた時間があります。
本堂を守ることは、建物を残すことだけではなく、これからも法要を勤め、仏法を聞き、安心してお参りいただける場を次の世代へ受け継ぐことでもあります。
久宝寺寺内町の歴史と景観を守る
久宝寺寺内町は、顕証寺を中心として形づくられてきた町です。
顕証寺とこの町の歴史は、切り離して考えることができません。
本堂をはじめとする顕証寺の伽藍は、寺院の建物であると同時に、寺内町の成り立ちと歴史を今に伝える景観の核でもあります。
顕証寺が大きく損なわれれば、それは一つの寺院建築が傷むことにとどまりません。寺内町が受け継いできた歴史的な景観や、町そのものの意味も大きく損なわれることになります。
だからこそ、顕証寺本堂を守ることは、この歴史ある町を守ることにもつながります。
地域の誇りを次の世代へ
顕証寺は、長い歴史を持つ寺院であると同時に、多くの方々に親しまれ、自慢であり、誇りとして大切にされてきました。
地域の方々はもちろん、顕証寺に心を寄せ、遠くから応援してくださる方もいます。
そこには、文化財としての価値だけでは語りきれない、顕証寺への深い愛着があります。
本堂を守ることは、建物を残すことだけではありません。久宝寺の歴史と景観、そして顕証寺を大切に思う人々の思いを、次の世代へつないでいくことでもあります。
いま取り組むことが、未来につながります
現在の取り組みは、将来の本格修復への第一歩です。
まずは詳しい調査と必要な応急修理を行い、本堂をできる限り健全な状態で守る時間を確保します。
その間に、文化財としての調査をさらに進め、重要文化財指定を目指すとともに、将来必要となる本格修復の方法や資金についても準備を進めていきます。
いま行う応急修理は、一時しのぎではありません。
未来の本格修復へつなぐために、今の私たちができる現実的で重要な取り組みです。